若坊守、得度する 〜前編〜

〜若坊守(若住職・副住職の妻。つまり私の妻)が得度しました。得度とはお坊さんになる資格をとるために、京都のお寺にこもり、研修することです〜

10月6日から16日までの11日間
京都市の桂にある西山別院・得度習礼所(研修道場)にて得度習礼に行って参りました。

今回は20代から70歳近くの方まで35名の参加者で3班に分かれ、私は当日に班長を任命されました。
この日から濃く、充実した11日間を過ごしてきました。

初日、まず研修室にて提出書類を出し、携帯電話、パソコンなど全ての情報機器、飲食物(医薬品のど飴はOK)を没収され、寝泊りする部屋に案内されます。

部屋には空気清浄機、加湿器があったのには意外でしたが、
過去に習礼中インフルエンザが蔓延した事もありその対策かな。。

すぐに白衣、布袍、輪袈裟の格好に着替えます。身だしなみもチェックされます。
男性は剃髪、女性は剃髪を免除されているぶん、前髪はかからない(おでこを出す)横は耳にかからない、襟足は輪袈裟にかからない、礼拝した時に髪が動かないという決まりがあります。
周りの女性の方は髪を纏めてお団子にしていましたが、私は少しでも身支度を簡単にしたかったので髪を短く切り、オールバックにしてジェルとハードスプレーでガチガチに固めていました。
衣体の着付け方、黒袈裟の着付け方、黒衣の畳み方なども短い時間で済ませなければなりません。乱れていると指導員より厳しく指導を受けます。
習礼に行く前に主人から、「お勤めの練習するなら衣体着て練習した方がいい」と言われていたので、着付け方、畳み方も一緒に練習出来ていたのが良かったです。

一日の流れは、5時半起床、身支度、清掃、班ごとの点検の後、7時から晨朝勤行(朝のおつとめ)、朝食、9時から12時まで講義、昼食後13時半から16時まで午後の講義、16時半から日没勤行(夕方のおつとめ)夕食、就寝勤行、課題(入所前に課題が与えられていました)次の日の勤行習礼(内陣出勤の練習)入浴、23時就寝。
布袍と黒衣の着替え、移動も多く、休憩時間はおつとめの練習をしたり、班長の仕事をしたり実際には時間に追われて忙しくしていました。

3日目辺りから日にち曜日の感覚がなくなり、テレビ、ラジオ、新聞など全ての情報から遮断されているので、天気すらもわかりません。
唯一外を感じられるのが毎朝晨朝勤行の時、研修棟から西山別院本堂へ向かう廊下を歩くと入所した時には空気が暑かったのが日を追うごとにだんだんひんやりしてきて身体で季節を感じる事が出来ました。

普段は家事、育児に使っている時間を習礼中は自分自身の為だけに使い、ただただ目の前のやるべき事に集中したというのも初めてです。

後半へつづく

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